医学部受験ナビゲーター

医学部入試を迎えて

国公立大学医学部出願について

 いよいよ、1月になりセンター試験が実施されます。どのような結果が出たとしても国公立大学を目指す場合は足切の有無、合格ラインの見極めなどが重要になります。但し、注意しなくてはならないのが、全国合わせて50校の国公立医学部合格者の学力レベルは一般の学部学科と異なり、極めて接戦であることです。
 したがって、センター試験で大成功した場合は、第1志望の医学部に出願していくことで問題はないでしょうが、センターリサーチで足切ラインやボーダーラインを下回る場合は悩むはずです。順当に判断すれば、足切予想ラインにかかっている場合は、回避するのがよいでしょう。
 医学部の場合、例年多くの大学で足切が実施されており、個別試験(2次試験)に進めない受験生も毎年数多く存在するからです。国公立受験生の中には何が何でも○○大学医学部と固執するケースもありますが、正直、将来医師として社会貢献していくという視点からは全くナンセンスな発想だと言えます。
 どこの大学出身だろうが、将来医師国家試験を合格して尊い人命と向き合う医師として活躍することに何の差もありません。したがって、足切ラインをクリアできる大学に出願をして個別試験で逆転する発想が健全といえます。但し、逆に考えれば個別試験の逆転はよほどセンター試験重視の大学でなければ、足切さえ突破すれば可能であるということは忘れてはならないポイントになります。
 ですから、早めから対策を施していた大学であれば、センターリサーチによって無用に出願校を変更することはしない方がよいでしょう。毎年、センターリサーチのデータを見て、ゲルマン人の大移動のように出願校を変更する指導を多く目にしますが、懸念を感じずにはいられません。
 どうしても医学部を受験したいという思いから足切の存在しない大学への出願を強く奨励するケースもあるのでしょうが、果たして現実的な選択でしょうか?
 恐らくは、受験生を成功させているとは言い難いのが現状でしょう。
 受験生の皆さんが、気にするべきは足切のラインのみです。そして、あくまでも正確なデータとは言い難いセンターリサーチに関しては、参考にすべきではあっても金科玉条のようなものではないことも知っておいてください。センター試験の結果は、自ずと出るものですが、そこで個別試験に向かって勇気をもって突き進む判断をしてください。
 個別試験まで約1ヶ月の学習で人生が変わるといっても過言ではありません。センター試験後にどう出願したらよいか迷った場合は、専門予備校に相談してみるのもよいかもしれません。
 天のまさに大任をこの人にくださんとするや、必ず其の心志(しんし)を苦しめ、其の筋骨を労せしめ、その体膚(たいふ)を飢えしめ、其の身を空乏(くうぼう)にし、行う所そのなさんとする所に払乱(ふつらん)せしむ。心を動かし、性を忍ばせ、その能(よ)くせざる所を曾益(ぞうえき)せしむる所以(ゆえん)なり。
 孟子の言葉です。大成をする人間に天は試練を与えるという意味です。裏を返せば、大成する人間にしか天は試練を与えません。医師を目指す、皆さんが心願成就することを切に願っています。

私立大学医学部入試

 センター試験が終了すると今度はすぐに私立大学医学部入試がスタートします。この時期になれば出願校も決まり、1次試験と2次試験の日程や受験のバランスもほぼ決めていると思います。そこで、私大医学部入試本番を迎えて留意事項を書いておこうと思います。
 例年、様々な準備をしながら受験本番を迎えるわけですが、試験会場、開始時刻などは当然、受験票の持参などは前日までに確認しておくことが大切です。それと案外盲点ですが、試験当日に時計が止まってしまったという話もありますから、時計は電池の確認、故障等で動かなくなった時のことも考えて、2個用意していくのが無難です。せっかく、時間配分も含めて作戦を立ててきたのに当日に時間の把握ができなければ相当にあせります。さらに、受験期は天候が不順で降雪などによる交通機関の乱れが生じることもありますが、その時は焦らないようにしてください。大学側も親切ですから例年、開始時刻を遅らせるなどの措置を取ってくれることがあります。但し、念のために大学側には携帯電話等で確認を取ることをお勧めします。
 さて、私立の医学部の場合、1次試験が通過しても2次試験があることが多いはずです。論文や面接対策は万全でしょうか?1次通過から準備にかけられる時間はほとんどないのが現状です。慌てないように出願時の願書で志願理由等を書いていれば、必ずコピーを取り、見直しができるようにしておいてください。そして、自分自身で対策ができない場合は、専門予備校に相談するとよいでしょう。面接の雰囲気から例年の内容などノウハウを短時間で得ることが可能です。何とか1次試験が通過しても2次試験の倍率も数倍ある大学がほとんどです。中にはペーパー重視の大学もあるでしょうが、多くは2次試験で受験者の医師としての適性を確認しています。準備しすぎて損をすることはありません。
 受験生の中には、保護者の方と2次試験の練習をする方もいますが、家族では緊張感もなく実戦的ではありません。例年、失敗したという話もよく聞きます。私大医学部の場合はそれでなくても対策が取りにくい傾向がありますから、プロに任せるのがよいでしょう。
 私大医学部の入試は連続日程になることも多く、体力的にも精神的にも厳しいと思います。しかし、難関をくぐり抜けた後は、医師としてやりがいのある日々が待っています。“The darkest hour is always just before the dawn”(夜明け前が一番暗い。)という英語のことわざがあります。みなさんも受験本番はつらいこともあるでしょうが、最後まで粘り強く頑張ってください。

(初出 旺文社パスナビ 2013.1.1)
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