2018年入試は医学部においては、私立、国公立大学が現役生向けの推薦入試制度などを導入して、一般入試の枠が少なくなりました。従って、一般入試に関しては大変厳しい入試結果であったと思います。特徴的だったのは筑波大学駒場高校の東京大学理科Ⅲ類の合格者数であったように思います。細かい推移などは既に受験雑誌等で語りつくされていますからここでは記しませんが、東京大学進学を使命としていた超進学校が医学部進学へ流れを変えてきているのだと思います。実際、元々灘高校も医学部進学者の多い学校であったと思いますが、近年は医学部進学希望者がさらに増えているようです。特に女子の進学率が上昇してきていることも注目で桜蔭をはじめ一都三県の医学部進学希望者は増加の一途をたどっています。結論から言うと一都三県の大学については激戦です。私立の医学部も軒並み正規合格者を定員よりも多めに発表するケースも多くみられるために追加合格者の数が以前と比較して少なくなってきているようです。この傾向は私立大学の場合は全国的に拡大していくと考えられます。国公立・私立ともに今後の入試改革に連動するように現役生を中心とした若年層を入学させる方向と推薦入試やAO入試等で枠を作る方向になっています。従って、医学部への進学ということになれば早期に合格できるような工夫がより一層大切になってくると考えられます。
2019年入試では日本医科大学が新規でセンター試験入試制度を導入、東海大学がAO入試を導入、埼玉医科大学が一般入試の定員を減らして推薦入試を増加させるなどの変更があります。杏林大学、久留米大学で後期試験が新設されるなどの動きも出ています。どの大学も基本的に求められる学力が高いことは言うまでもありません。大手予備校の偏差値ということであれば、最低でも偏差値65、センター試験得点率で85%は求められると思います。
医学部入試は高倍率で大変な状態が続いており、求められる基準は高くなる一方です。従って、受験勉強もかなり厳しいものが求められます。医学部合格レベルまで達することは、単純な自習や工夫のない学習の提案では難しくなってきていると思います。最近、ネット上では個人個人が学習する場合に様々な局面で個体差があるはずなのに十把一絡げに参考書・問題集を使った学習やアドバイスを意味ありげに記している記事を見かけることがあります。自分の成功体験なのかどこからの内容の寄せ集めなのか断片的なことが多く、非常に疑問です。
自習を中心とした学習ということになるとそれだけで受験勉強を乗り切ることのできるタイプは現代の子供たちに多いかといえば、少ないと思います。正直、自習ということだけでみると効率性は格段に低下します。プロの専門的な教え方に乗っかる方が楽であり、プロの研究成果をダイレクトにもらえる分、予備校で指導してもらう方が楽ができます。超進学校の生徒の方がそのあたりの要領は上手いと思います。早期に良い大学へ合格する生徒のほとんどがシンプルにやることを決めて目標に向かっているのだと思います。自分で一から考えるような時間のかかる方法は取っていないと思います。ましてや面接や小論文の対策はもちろん、入学後の大学の情報など教育の根幹にかかわる内容は相当にしっかりとしたプロメディカスのような予備校以外は対応不可能であると言えます。我々プロメディカスは大学側が求めている人材を大学受験ナビゲーターの活動を通して把握したうえで、できる限りマッチングさせようと努力しています。
いかに早期に無駄のない勉強で合格の確立を上げていくのかは今後、受験生にとって重要な課題になっていくと思います。なるべく現役で、少なくとも3浪までに合格を狙いたいという傾向は加速していくことはあっても減速はしないと思います。3浪以上で苦労されている方は受験勉強で苦しんでいると思いますが、改めて現役生や1浪以上の 得点を確保しなければならないと肝に銘じておいてください。受験者の上位50位以内でなければ相当に苦労すると思います。この数字は並々ならない数字だと思います。今までの自分と決別して新しい努力と工夫をして成功を勝ち取る以外にはありません。現役、1浪目の方々も高い学力を求められていることについては言うまでもありません。
ここ最近、他の予備校を攻撃するような内容の書き込みをして営業記事を掲載し続けている医学部予備校があるようです。また、学生バイトで指導させているようですが、医学部の学生バイトでは受験期の最も大切な時期に学部の試験が重なり指導ができなかったりと弊害が多いような気がします。受験勉強ということになればプロパーな大学受験担当者の方が格段にノウハウを持っていると思います。その上で他の予備校に批判記事を掲載して営業するという手法そのものが、ちょっと倫理観がないのかなと感じます。普通の社会人なりビジネスパーソンとしての感覚が欠如しているんでしょうか。こういった予備校の指導では恐らく本人の能力が高い場合のみ合格していくのであって、通ったからと言って特別の付加価値のようなものは少ないのではないかと思います。また、こういった予備校は概して安さを売りにしていますが、冷静に分析すると案外かかる費用は高額なようです。いずれにしても倫理観の感じられない営業記事を掲載しているような医学部予備校には注意が必要だと思います。
2019年へ向けた戦いは既にスタートしていますが、最終的に受験生の皆さんがあるべく良い方向に向かっていけることを祈る次第です。